2019 Summer Vol.045

これからの映像機器の標準仕様!今さら聞けない4Kテレビの基礎知識HDR対応のHDRって、なんのこと?

最近の4Kテレビは、そのほとんどがHDR対応となっています。“高コントラスト”、“豊かな階調表現”と表現されることが多いHDRですが、そもそもHDRとはなんのことなのでしょうか?また、映像を観るうえで、どんな効果があるのでしょうか? 今さら聞けないHDRについて解説します。

人の目が見るように自然な明るさと暗さを再現

HDRはハイダイナミックレンジの略称で、ダイナミックレンジとは再生可能な信号の最大値と最小値の幅のこと。映像では最も明るい部分と最も暗い部分の範囲を指します。これは、「輝度」という言葉で置き換えることができます。
例えば、太陽の光と星がまったくない夜空の部分では、明るさの単位を表すカンデラ(cd/㎡)で10の15乗カンデラほどの違いがあります。ただし、人の目は普通の状態ですべての明るさを認識できるわけではありません。カメラで言えばシャッターの役割を果たす瞳孔の開閉で認識できる範囲は10の12乗カンデラ程度で、普通に映像を見ているときに認識できる範囲は10の5乗カンデラ程度と言われています。
ところがHDRのSDR(スタンダードダイナミックレンジ)規格の放送波やテレビでは、10の3乗くらいの範囲でしか表示することができませんでした。この10の3乗カンデラの範囲を10の5乗程度までに拡大する技術がHDRです。理論値ですが、HDRはSDRに比べて100倍の明るさや暗さを表現することができ、人が肉眼で見るのと近い明るさや暗さが再現できます。
新4K8K衛星放送はこのHDRを採用しており、ネット配信サービスでもHDR対応コンテンツが増加しています。テレビのHDR対応とは、これらに対応していますということを意味しています。

HDRに対応すると白飛びや黒つぶれがない自然の映像を再現

SDRでは、非常に明るい部分と暗い部分がある映像を映し出すとき、明るい部分を表示しようとすると暗い部分がベタッと潰れる「黒つぶれ」を起こし、逆に暗い部分を表示する場合は明るい部分が真っ白になる「白飛び」を起こしたりすることがあります。
HDRでは、明るさの表示範囲が拡大していますので、明るい部分も暗い部分も同時にしっかりと表示できます。人の目が認識する豊かな色彩や徐々に色の濃さが変わるグラデーションなどもなめらかに再現し、より自然で、リアリティにあふれた映像の表示が可能です。高画素・高画質の4Kテレビだからこそ、HDRにも注目しましょう。

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